◆全てのことは今につながっている。

久しぶりに浅田作品を読みました。前の会社で同僚、先輩と千葉の房総にドライブに行ったときに亀田総合病院の前を通りました。その時に一人の先輩からこの作品のことを聞きました。徳島出張時に暇つぶしの一つとして本を書店で探していた時に、このタイトルが目に飛び込んできて先輩の話をふと思い出し買いました。

プリズンホテルのように、登場人物の心模様が次々とテンポのよく描かれていて、読み始めるとスーっと小説の世界にのめり込んでいました。マリが英子に会って安男と英子の寄りを戻させようとするシーン、ドクター曽我が手術する前の心境を安男に話すシーン。挙げだすと色々なシーンが浮かんできます。読み終えて、切なさよりも爽快感が自分には残りました。

そんな中全体をまとめると、安男がこれまで自分の身に起きたことのすべてに感謝しているシーンでしょうか。具体的に何ページだったかはすぐ思い出せないのですが、過去の色々なことは今の自分につながっている。起きたことの全てを受け入れることで未来が開けて行くんですよね。