銀嶺の人 ハラハラドキドキでした

◆数をこなすから器用になる。

GW中の話になってしまうのですが、ブログに書き留めておきたいと思いアップしました。緊急事態宣言が発令されたこともあり、今年のGWは読書をメインにして過ごそうと思いました。昨年は図書館&本屋の両方ともクローズして読みたい本がすぐに手に入らず困りましたが、今年は両方ともやっておりその点は助かりました。両方に行って結局選んだのは、図書館で借りた「銀嶺の人」。予想以上に面白かったので上下を一気に読み終えました。登山小説は好きなジャンルの一つですが、その中でも新田次郎さんのが一番好きです。そんな訳で、新田さんの本が並んでいる棚を見ている時に、上下でこの本が揃っていたので迷わず借りました。

今回一番印象の残っているのは、やっぱりアイガー北壁の直登を描いたパートですね。数百メール進むの数日かかるとか、悪天候のため吊るしたハンモックで寝たり料理などをして数日やり過ごすとか、想像するだけでもその過酷さは計りしれないです。生命の危険はわかっていながら、なぜそんな岩壁に登ろうとするのか…。山に取り憑かれた者にしかわからない心情なのでしょうね。

あと意外なところで、山男山女の恋愛模様の描写も面白かったです。どの程度本当の話なのかわからないところですが、相手への気持ちの伝え方が不器用で、それに山人間らしさをすごく感じました。男女間の恋愛のかけ引きなどは登山する上で役に立たない訳で、その辺りは鍛えらているはずもなく当然と言えば当然なのでしょうが、下手な恋愛小説を読むより面白かったです。

銀嶺の人(下)

銀嶺の人(下)

銀嶺の人(上)

銀嶺の人(上)